「非化石証書」について、おさらいしましょう。
最近、非化石証書についての質問が多く寄せられています。
前にもコラムで触れましたが、今回はもう少し詳しく説明したいと思います。
非化石証書とは?
非化石電源により発電された電気について、非化石価値を分離し証書にしたものです。
ここで言う電源とは発電する手段を指します。電源には、再生可能エネルギーと原子力があります。だから、非化石証書には、「再エネ指定(FIT含む)」と原子力を含んだ「指定なし」があります。
非化石証書を購入できるのは電力小売事業者のみで、日本卸電力取引所(JEPX)が主催する取引所で、オークション形式により購入します。
非化石証書には3つの種類があります。
■FIT非化石証書(再エネ指定) …太陽光、風力、小型水力、バイオマス、地熱
■非FIT非化石証書(再エネ指定)…卒FIT、大型水力
■非FIT非化石証書(指定なし) …原子力
新たな再エネの増加につながらずむしろ逆行するという多くの問題を抱えています
「FIT電気+再エネ指定の非化石証書」なら良いと思います。
しかし、火力や原子力で作った電気に、再エネ指定証書を貼れば『実質再エネ』と呼べてしまうのはおかしいです。しかも、証書の中には、安全性や廃棄物処理などに大きく課題を抱える原子力も含まれています。原発の非化石証書にお金を払うのですから、まったくおかしな話です。原発に追加的な利益を提供していることになります。
そもそも、古い大型水力や環境破壊型メガソーラーが『再エネ』というのも、本当はおかしい話です。
FIT非化石証書の取引は2018年5月から、非FIT非化石証書に関しては2020年11月からオークションにより取引が開始しました。
これまでFIT非化石証書の最低入札価格は、1.3円/kWhでしたが、現在は、0.3円/kWhと安くなりました。この証書を購入してCO2ゼロを実現したい電力会社は、さらに安く0.1円/kWhくらいにすることを求めています。ちなみに、原発が証書になる非FIT非化石証書の値段は、0.6円/kWhくらいです。
GPPは、原則として非化石証書は使いません。
証書で再エネは増えません。
『本当の再エネ』が増えなければ、気候危機は回避できません。
非化石証書は、化石燃料、ゴミ発電や原発、古い再エネにも使えない、という制度に改善されるまで使用は見合わせたいと思います。
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