東電と契約していないのに、東電の発電量が減ると
エリア全体が停電するってどういうこと?
先日の「電力逼迫警報」の際、GPPや再エネを進める新電力各社からも「節電」のお知らせがありました。送電を担う東電で発電量が減ると、管内全体が停電におちいる可能性があるということでしょうか?
もし本当に需給が逼迫していて「節電」しか手がないとき、「節電」が目標を達成できなかった場合は、本当に大停電になります。
契約しているのが新電力でも、旧一般電気事業者(東電)でも、その点は変わりません。なぜかというと、送電網というのは、大きな1つの池のようなものだからです。
日本中の発電所がこの電気の池に電気を流し、日本中の消費者がこの電気の池から電気の供給を受けています。つまり、この池の電気が減って消費者全員に行き渡らない量になったときには、すべての電気が遮断されます。
これは、送電網の電圧や周波数が一定の範囲に維持されることが前提になっているからです。
発電所も同じです。発電所のシステムも電気で動いているので、急激に電圧や周波数が変化すると壊れる部分があり、そこが壊れると送電網が復旧しても発電所は動かなくなります。そうなると、簡単には復旧できず、停電は長期化します。
だから先に止めるのです。
先の北海道のブラックアウトは、このようにして起こりました。
一部の発電所が地震で壊れ、電気を送れなくなって、他の発電所から送ろうとしたら送電線が切れていて、みるみる周波数が下がったのです。それで、残っていた発電所も自分を守るために送電線と遮断、こうして北海道送電網は大停電しました。
2022年3月22日、東北の地震で福島の火力発電所が何機も停止、首都圏の磯子火力発電所は別の理由で停止していました。そのため、大停電となってはまずいので消費の方を減らすように「節電」を呼びかけたようです。でも、本当に一刻を争う状況であれば、家庭での節電レベルでは足りず、大きな工場を止めるはずです。そういう条件で、安い電気の供給を受けている工場もあります。緊急時のために待機している発電所もあります。
需給逼迫は前の日から予測できていましたから、待機発電所を準備するとか、揚水発電所に夜のうちに水を揚げておくこともできたはずです。平常時から、こういう事態に備えた計画停電の準備や、消費量を抑えるための断熱強化などの対策を進めておくことが重要だと思います。
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