発電原価調整制度について
「燃料費調整制度」の問題
1、燃料費調整制度とは?
日本の電気は8割が化石燃料です。100%輸入で、石油メジャーや国際紛争、そして地球温暖化の進行によって、価格が乱高下します。その価格変動リスクを軽減する目的で作られたのが「燃料費調整制度」です。
電気明細に「燃料費調整額」と書かれているのををみたことはありませんか?当たり前のように電気料金に加わっています。
2、燃料費調整制度は廃止すべきもの
化石燃料の価格変動リスクは本来、燃料を調達している個別企業が負うべきリスクです。それを化石燃料を使っていない会社にまで負担させ、全電力消費者に負担させているのは公正な仕組みとは思えません。
3、燃料費調整制度は電力自由化に逆行
確かに新電力にとって義務ではありませんが、ここ数年、石油価格が低下傾向のため「燃料費調整額」はマイナス。新電力各社は、誰からも補填されないマイナスを「競争に負ける恐れ」から負担しています。半ば強制で自由競争を阻害しています。
4、燃料費調整制度は地球温暖化も促進
化石燃料発電所を大量に保有している旧一般電気事業者は、石油価格が安くても「高い価格」で市場投入し、自分は「燃料費調整制度」と称して値引きしています。その結果、市場価格は高止まりし、化石燃料は市場淘汰されずにはびこります。再エネ電気を排除し、CO2排出の増加を促進しているのです。
GPPの「発電原価調整制度」とは?
1、GPP独自の制度
GPPは、化石燃料価格反映である「燃料費調整制度」は使いたくありません。しかし単に「使わない」とすると、(現在マイナスになっている)「燃料費調整額」がなくなることで、実質的にユーザーの電気料金が上がります。その激変緩和のため、再エネ電気の供給をめざすGPPにふさわしい制度を作ろうと考えました。
2、再エネが増えても電気料金が上がらない制度
現在のFIT制度の再エネは「市場価格連動」となっています。GPPが自由に価格を決められるのは、非FIT・卒FITの電気です。これはCO2ゼロの電気で、GPPはこれを市場価格より高く購入します。電気料金が上がるので、非FIT・卒FIT発電所からの購入分を加えた仕入れ価格と市場価格の差額を、電気料金からマイナスしようというのが「発電原価調整制度」です。
(なお化石燃料価格が上がれば、相対的にGPP電気は安くなります。)
3、GPPの負担は少なくはありません
GPPの負担はダブルで大きくなりますが、それでも今の「燃料費調整額」の負担程度でおさまると考えています。根拠のない負担をするより、意味のある負担に変えようと思います。
発電原価調整額には上限額を設置
燃料費調整額廃止に伴う、「発電原価調整制度」は、非FIT、卒FIT電気を高く購入し、ユーザーには安くする制度なので、当面は会社経営にはプラスではありません。それでも、燃料費調整制度の負担と同程度でおさまると判断しています。
逆に、当社の非FIT・卒FIT発電所比率が増える中で、再エネ調達コストは低下すると考えています。その調達コストが市場価格よりも安くなると、発電原価調整額はプラスになります。それはユーザーの皆さんへの過度な負担になるとも考えます。
したがって、発電原価調整額には上限額を設け、それ以上は頂かないことにします。また、発電原価調整額がプラスに転じたときは、当社の利益にするのではなく、再エネ発電所をさらに増やしていくための応援基金としていきたいと思います。
●2020年2月請求分より、経過措置として「-2円/kWh」 と致します●
発電原価調整額は、当社が独立供給をはじめた2019年12月の供給分から開始(2020年2月請求分)となります。この場合、過去3 ヵ 月の当社電源調達価格はまだありません。
そのため、12月の営業開始から3ヵ月間は、経過措置として当社の非FIT・卒FIT発電所(非FIT等)の比率が100%となるケースを目標値として暫定価格とします。
つまり市場価格10円として0%(この中にはFITと市場調達を含みます)。自社調達非FIT等が12円として100%。当社の平均値は12円で市場価格から差し引く差額は2円です。
この-2円/kWhを経過措置の暫定的「発電原価調整額」とします。
*明細書には「発電原価調整額(経過措置額)」と表示します。
●2022年1月請求分(2021/11~12月使用分)より、暫定措置として「0円/kWh」と致します●
2021年10月から市場価格が上がりはじめ、1ヶ月の平均価格は通常の2倍になっています。12月になっても、収束するどころか終わりが見えません。
これまで「−2円/kWh」据え置きで頑張ってまいりましたが、市場価格が下がらない状況下では維持できなくなりました。大変申し訳ないのですが、2022年1月請求分から、暫定措置として「0円/kWh」とさせていただきます。なんとか当社の経営基盤を確保するためであり、どうかご理解をお願い致します。
●2022年3月請求分(1~2月使用分)より、暫定措置として「4円/kWh」と致します●
市場価格の高騰が常態化しており、なんとか当社の経営基盤を確保するための措置です。どうかご理解をお願い致します。
●2022年6月請求分(4~5月使用分)より、暫定措置として「6円/kWh」と致します●
低値の下げ止まりと、インバランス費用の増大という2つの原因を是正するように政府への申し入れは継続して行いますが、当面は経営を維持しなければなりません。そこで、大変辛い決断ではありますが、止む無く発電原価調整額の引き上げを致します。
●2022年8月請求分(6~7月使用分)より、暫定措置として「10円/kWh」と致します●
市場価格の平均価格上昇は、6月に入ってむしろ勢いを増しています。このままでは売上から仕入れ価格すら払えない状態となります。できる限り市場価格上昇を価格転嫁しないようにと努力を重ねて参りましたが、もはやこの市場価格から当社経営を守る方法は電気料金の値上げしかありません。大変申し訳ありませんが、発電原価調整額の大幅値上げを致します。
●2022年10月請求分(8~9月使用分)より「18円/kWh」と致します●
大きな額の値上げとなりますが、市場価格高騰がいまだ収束せず、これまでの対応では仕入価格の値上がりのスピードにとても追いつけないためです。
「昼とくメニュー」への変更による対処を考えておりましたが、諸手続きが必要で最短でも1月以降の実施となり、間に合いませんので、発電原価調整にて対処させていただきます。
https://www.greenpeople.co.jp/information/9151/
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